「ゲームで強くなりたいけど思うように勝てない」。そう思う人は多いのではないでしょうか。筆者自身もゲームをよくするのですが、なかなか勝てない時も多いです。何か明確に強くなる方法はないのかと思ってしまいます。
そこで筆者は、世界的にも有名なプロゲーマーウメハラ氏の書籍『勝負論 ウメハラの流儀』(小学館)から、ゲームで強くなるための考え方を学びました。
この記事では、筆者が学んだウメハラ氏の「ゲームで強くなるため考え方」について紹介していきます。ゲームで伸び悩んでいる人はぜひご覧ください。
動作を細かく分けて練習する
自分にはできない動きがあった時には、動作を細かく分けて練習するのが重要です。ウメハラ氏は本書でバスケットボールを例に出して以下のように説明しています。
ドリブルをしながら敵をすり抜け、踏み切ってジャンプしてシュートを放ち、点を取る。この一連の動作ができないという状況において、できない人ほど一連の動作として練習してしまう。
僕なら、すべてをいったん分解する。ドリブル。ドリブルしながらの敵のかわし方。踏み切りのタイミングや体勢。ジャンプ力。シュートの正確さ。
こうして、複雑に見える一連の動作を一度分解するのだ。
『勝負論 ウメハラの流儀』139pより引用
このように細かく分解することで、成長のスピードが上がるとウメハラ氏は言います。動作を細かく分解すると、自分がどの部分でつまづきやすいのかを気づくことができるからです。
FPSやTPSで動作を分解するとしたら、敵にカーソルを合わせる、スコープを覗く、撃つ、といった感じでしょうか。そして、カーソルを合わせるのが苦手なのか、スコープを覗くのが苦手なのか、撃つのが苦手なのかを発見するために何回も練習します。
少し手間がかかると感じるかもしれませんが、苦手な部分をピンポイントで修正できるため、この方法の方がより完璧に仕上げることができます。どのゲームジャンルでもこのような分解はできるはずなので、伸び悩んでいる人はこの練習方法を取り入れてみましょう。
基礎の固め方
どんなゲームにも基本や基礎となる部分がありますが、その学習方法にも重要な点があります。それは、セオリーを一度疑って自分で検証してみる、ということです。
今はYouTubeでコツを教える動画が多く投稿されていて、それを見て基本を習得している人も多いでしょう。しかし、その方法で基礎固めをしているとトップレベルでは戦えません。ウメハラ氏は基礎の学習について以下のように述べています。
ボロボロになりながら、人よりだいぶ遅れて基礎段階を通過すると、基礎的な技術だけ、反射神経だけで決して決まらない景色が開けてくる。
(中略)
ふと見ると、僕よりずっとスムーズに、直線的に基礎固めを終えたはずの人が、この段階に至って足踏みを始め、脱落してしまうこともある。『勝負論 ウメハラの流儀』131pより引用
ウメハラ氏は新しいゲームタイトルが発売されると、基礎固めに時間を多く費やすため最初のうちはあまり勝てないそうです。しかし、ひとつひとつ自分で確かめてセオリー以外の部分の理解もすることで、ハイレベルな所で差をつけていきます。
また、基礎固めで遠回りをしていろいろなことを体験した人の方が戦い方のバリエーションが豊富になるそうです。ウメハラ氏も基礎段階で色々な検証をすることで、バリエーション豊かな戦い方を身に付けています。その結果、数多くのスーパープレイが生み出されているのです。
基礎の学習についてはわかりやすいイメージ図が本書に掲載されているので、ぜひ手に取って自分の目で確認してみてください。
感情のコントロール
負けてイライラしながらプレイしてまた負ける、みたいな経験をしている人は多いのではないでしょうか。筆者自身も、イライラがある状態でプレイをして負け続けたことが何回もあります。
感情をコントロールできないと、いつまで経ってもゲームが上達しません。ウメハラ氏もネガティブな感情をコントロールすることは重要だと言っています。
ネガティブな感情を持っていると、当然にパフォーマンスは下がってしまう。イライラしている分、思考が乱れ、集中力も削がれてしまうからだ。
つまり、そういう感情を持ってしまっている時点で、もう不利なのだ。
『勝負論 ウメハラの流儀』227pより引用
では、ネガティブな感情をどのようにコントロールしたらいいのでしょうか。その方法は、感情を表に出さないようにするということです。感情を表に出さないように意識すると、そのネガティブな感情そのものが発生しなくなってきます。ウメハラ氏もこの方法で対戦時に平常心を保っているみたいです。
多少いらついても、態度には出ないように、落ち着いて見えるように心がける。
すると、不思議なことが起きる。
何度かこうしたことを繰り返すうちに、そもそも本当に腹が立たなくなってくるのだ。
『勝負論 ウメハラの流儀』227pより引用
運と向き合う
また、感情をコントロールする上では「運」についても考えなくてはいけません。ゲームの世界では運はつきものです。どんなに努力をしてどんなにいいプレイをしても、運で負けてしまうことだってあります。
これはゲームのシステム上しかたのないことです。そのため、運で負けてしまった時は「今のは運が悪かった」と割り切るようにしましょう。しかし、負けた時に何でもかんでも運のせいにしてしまうのはNGです。
反対に、勝った時でも運について考える必要があります。「今の勝利は実力で勝ったのか?」「運がよくて勝ったのではないか?」と見直しが必要です。
ゲームで勝った時は嬉しくなって、つい「全て自分の実力で勝った」と思いがちです。しかし、運で負けることがあるように、運で勝つことだってあります。運のおかげで勝ったのに自分の実力で勝ったと勘違いするのはよくないです。
勝利した対戦の中にも必ず見直すべき部分は見つかります。慢心せずに成長し続ける意識を持つことが大切です。ウメハラ氏は大会で勝った時も見直しを意識しています。
だから僕は、勝った時、特に幸運で勝利を手に入れた時ほど、意識して自分を戒める。自分の実力で勝ったと思い込んでいる要素も、実は運が向いただけなのではないかという視点で検証する。
『勝負論 ウメハラの流儀』219pより引用
1回の勝敗にこだわらない
1度負けてしまっただけで落ち込んでしまうことがありますが、これはよくありません。むしろ、負けから学べることもあるので、成長のチャンスでもあります。
格ゲー界の神と言われるウメハラ氏も全戦全勝しているわけではありません。新しいゲームタイトルがリリースされてからしばらくは勝てないことも多いそうです。しかし、継続して努力を続けることで最終的には勝ち続けられるようになります。
また、少し勝っただけで調子に乗るのもよくないことです。なぜ勝利したのかを分析し、次に繋げる努力をしないと勝ち続けることはできません。
ウメハラ氏は本書で「勝ち続けることが重要だ」と何度も述べられていました。「ゲームで強くなる」というのは1度勝つということではなく、継続して長期間勝利し続けられる実力を身につけることなのです。
まとめ
- 動作を細かく分けて練習する
- 基礎を固める時はセオリーをなるべく自分で検証する
→セオリー以外のことも知っていると戦いのバリエーションが増える - イライラした時は感情を表に出さないように心がける
→態度に出さないことで、イライラ自体が出てこなくなる - 1回の勝敗に囚われない
いかがでしたでしょうか。この記事では『勝負論 ウメハラの流儀』(小学館)からウメハラ氏の「ゲームで強くなるための考え方」を紹介しました。筆者もゲームをする時には、この記事の内容を活かしていきたいと思います。
まだ紹介していないこともたくさんあるので、「もっとウメハラの考え方を知りたい!」という方は購入して読んでみることをおすすめします。
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