近年の日本eスポーツ市場は大きな盛り上がりを見せています。そんな中、さまざまなゲームタイトルで活躍するeスポーツチームがたくさん出てきました。数年前では考えられないほどの状況になっています。
そこで、「どんなチームがあるの?」という方のために、筆者の注目するeスポーツチームを10チームピックアップしました。記事の最後には、eスポーツチームに加入するための方法も紹介しているので、eスポーツチームに興味のある方はぜひご覧ください。
日本のeスポーツチームをピックアップ!
日本のeスポーツチームはかなり数が増えてきています。筆者が確認した範囲でも80チーム以上はありました。すべて紹介するのは長くなってしまうので、筆者の注目する10チームを紹介します。
DetonatioN Gaming
設立年 | 2012年 |
部門 | PUBG部門 PUBG MOBILE部門 VALORANT部門 スプラトゥーン2部門 リーグオブレジェンド部門 オンラインカードゲーム部門 シャドウバース部門 格闘ゲーム部門 大乱闘スマッシュブラザーズ部門 ウイニングイレブン部門 |
主な戦績 | LJL 2018 Spring Split 優勝(League of Legends) 第5回スプラトゥーン甲子園 2019 近畿地区予選大会 優勝(Splatoon2) |
DetonatioN GamingはFPSゲームCounter-Strike Online(CSO)でのeスポーツチームを設立して活動を開始します。その後、リーグオブレジェンドやスタークラフト2などで活躍していた選手・チームを吸収していき、規模を拡大していきました。
DetonatioN Gamingが行った革新的なこととして、国内初のフルタイム・給与制の導入があります。それまでは大会の賞金がプロゲーマーの主な収入源でしたが、DetonatioN Gamingはその状況下でフルタイム・給与制を導入して注目を浴びました。
SunSister
設立年 | 2010年 |
部門 | Apex Legends部門 PUBG部門 PUBG MOBILE部門 VALORANT部門 レインボーシックスシージ部門 大乱闘スマッシュブラザーズ部門 ストリーマー(配信者)部門 |
主な戦績 | PUBG JAPAN CHAMPIONSHIP2017 by DMM GAMES 優勝(PUBG) PUBG JAPAN SERIES αリーグ Phase1 優勝(PUBG) |
SunSisterはFPSゲームAlliance of Valiant Arms(AVA)のeスポーツチームを設立し活動を開始しました。設立してすぐの2011年には、PCゲーム周辺機器メーカーZOWIE GEARからデバイス提供等のサポートを受けています。当時から注目度はかなり高かったようです。
最近でも、100台限定でゲーミングモニターを発売することを発表しました。SunSisterはこれまでに多くの大会で好成績を残しているだけあって、企業も巻き込むほどの影響力があります。
FAV gaming
出典:FAV gaming official website-マルチプロゲーミングチーム
設立年 | 2018年 |
部門 | Apex Legends部門 Call of Duty部門 PUBG MOBILE部門 VALORANT部門 レインボーシックスシージ部門 クラッシュ・ロワイヤル部門 格闘ゲーム部門 ストリーマー(配信者)部門 |
主な戦績 | 2020 CRL EAST Special Season 優勝(クラッシュ・ロワイヤル) FAVCUP2021 sponsored by v6プラス 優勝(ストリートファイターV) |
FAV gamingは格闘ゲームやリアルタイムストラテジーゲームクラッシュ・ロワイヤルをプレイするチームとして設立されました。チーム名の「FAV」は「Fun And Victory(楽しく、そして勝つ)」というスローガンの頭文字になっています。
設立してからまだ日は浅いですが、活動開始から2年目となる2019年には格闘ゲーム部門とクラッシュ・ロワイヤル部門の2部門で世界大会に出場しています。特にクラッシュ・ロワイヤル部門では世界大会で4位に入賞するという好成績を残しました。
2020年以降はVALORANTやApex Legendsなどの部門を増設し、FPSゲームの分野でも活動を始めています。他のeスポーツチームと比べて活動期間は短いですが、今後の成長が見込めるチームでしょう。
Sengoku Gaming
設立年 | 2017年 |
部門 | Apex Legends部門 PUBG MOBILE部門 フォートナイト部門 レインボーシックスシージ部門 リーグオブレジェンド部門 リーグオブレジェンド ワイルドリフト部門 レーシング部門 ストリーマー(配信者)部門 |
主な戦績 | LJL 2020 Spring Split Finals 準優勝(League of Legends) WILD RIFT INVITATIONAL -THE OPENING GAMES- 優勝(League of Legends Wild Rift) |
Sengoku Gamingは2017年に九州・福岡を拠点にして活動を開始しました。最初にリーグオブレジェンド部門を設立し、2019年から国内リーグの「League of Legends Japan League」(LJL)に参加します。
2021年2月にはフォートナイト部門を新設し、スポンサー企業の木村情報技術株式会社のeスポーツ部の活動支援を始めました。Sengoku Gamingは「九州に愛され、世界で活躍するeスポーツチーム」ということを目標としているので、地域活性化への活動にも積極的です。
スポンサーにはイオン九州株式会社やエナジードリンクメーカーZONeなど有名企業がおり、Sengoku Gamingの今後の活躍が期待されています。
ZETA DIVISION(旧JUPITER)
出典:DIGITAL ASSET|ZETA DIVISION
設立年 | 2018年 |
部門 | Apex Legends部門 PUBG部門 PUBG MOBILE部門 VALORANT部門 リーグオブレジェンド ワイルドリフト部門 クラッシュ・ロワイヤル部門 ブロスタ部門 第五人格部門 ウイニングイレブン部門 ストリーマー(配信者)部門 |
主な戦績 | Brawl Stars Championship -March Finals- East Asia 優勝(Brawl Stars) RAGE VALORANT JAPAN TOURNAMENT Powered by GALLERIA 優勝(VALORANT) |
ZETA DIVISIONはPUBGの大会「GeForceCUP PUBG #02」の優勝メンバーで2018年に結成されます。このメンバー達はもともとデジタルカードゲーム「ハースストーン」をメインでプレイするコミュニティに居ました。その中にいたPUBGプレイヤーで集まって、大会に出場したら優勝してしまったという驚きの経歴です。
ZETA DIVISIONの活動で最も注目すべき点はVALORANT部門の戦績でしょう。国内大会4連勝や賞金獲得ランキングアジア1位など驚異的な実績があります。これはVALORANTにおいては国内トップクラスの実績です。
また、アパレルやステッカーの販売なども行っており、活動の幅は多岐に渡っています。
Rush Gaming
出典:Rush Gaming | Call of Duty professional team | powered by Wekids
設立年 | 2016年 |
部門 | Call of Duty部門 ストリーマー(配信者)部門 |
主な戦績 | 2019 CWL Japan National Qualifier #2 優勝(Call of Duty) 闘会議2018 CoDプロ対抗戦 優勝(Call of Duty) |
Rush GamingはもともとRushとしてCall of Dutyシリーズをプレイしているクランでした。2016年にクランリーダーのハセシン氏とGreedZz氏・Light氏・WinRed氏・Ngt氏によってクラン内のeスポーツチームが立ち上げられます。eスポーツチーム発足してすぐにアジア大会2連覇を達成しており、実力のあるチームだということを証明しました。
2018年には株式会社Rush Gamingとして法人化し、アパレル・コンテンツ制作・コミュニティ活性活動などのさまざまな分野で活動をしていきます。特にアパレルにはかなり注力しており、特設のECサイトをつくるほどの力の入れ具合です。
チームリーダーのハセシン氏は、国内でCoDクリエイターサポートを受けた始めての人物であり、YouTubeチャンネルの登録者数は60万人を超えています。国内のCoD界では最先端を走っている人だと言えるでしょう。
野良連合
設立年 | 2016年 |
部門 | Apex Legends部門 VALORANT部門 レインボーシックスシージ部門 ブロスタ部門 ストリーマー(配信者)部門 |
主な戦績 | EGM VALORANT TOURNAMENT #1 優勝(VALORANT) R6S PC JAPAN NATIONALS GRAND FINAL 準優勝(Rainbow Six Siege) |
野良連合はRainbow Six Siegeを中心に活動するeスポーツチームとして設立されたチームです。野良連合は国際大会に15回出場しており、世界最大級のeスポーツリーグESLの大会では2度もベスト4になりました。国内屈指の強豪チームとしてその名を知らしめています。
野良連合はテレビ番組などへの出演も積極的に行っており、eスポーツの楽しさを広める活動を行っています。今後の日本eスポーツ市場を盛り上げてくれる存在だと言えるでしょう。
父ノ背中
設立年 | 2016年 |
部門 | なし(メンバーは全員FPSプレイヤー) |
主な戦績 | JCG R6S PC Master Monthly Ops -May- 優勝(Rainbow Six Siege) JCG R6S PC Master Monthly Ops -November- 優勝(Rainbow Six Siege) |
父ノ背中はRainbow Six SiegeをプレイしていたHOMEと学校長の合併により結成されました。当時学校長に所属していた父ノ背中副代表のけんき氏が、父ノ背中代表てるしゃん氏のHOMEに合併の話を打診したことで父ノ背中の活動が始まります。結成当初は約100人のメンバーが在籍していましたが、活動の管理を厳密に行うためにメンバーの数を7人まで減らしました。
父ノ背中のメンバーは全員がYouTuberとして活動しているということも注目すべきポイントです。中でもけんき氏のYoutubeチャンネルは登録者数29万人を超えており、FPS界でかなりの人気を誇っています。
また、父ノ背中はパソコン工房とコラボしてゲーミングPCを製作しています。父ノ背中メンバーも使用しており、性能もかなりいいものとなっているようです。
DeToNator
出典:ダウンロードコンテンツ | DeToNator Pro Gaming Team
設立年 | 2019年 |
部門 | Apex Legends部門 PUBG MOBILE部門 VALORANT部門 リーグオブレジェンド ワイルドリフト部門 ストリーマー(配信者)部門 |
主な戦績 | Logicool G CUP 2015 優勝(League of Legends) JCG Master KickOff Cup 2016 グループ01 1位(Overwatch) |
DetoNatorはFPSゲームAlliance of Valiant Arms(AVA)でのeスポーツチームを設立して活動を開始します。2016年には台湾に専用のゲーミングハウスTAIWANを建設し、2018年にもフィリピン・韓国でゲーミングハウスを建設しました。海外での活動にも非常に積極的です。
DetoNatorには人気ストリーマー(配信者)SHAKA氏が所属しています。SHAKA氏はTwitterのフォロワーが29万人もいるほどの人気ぶりです。DetoNator初期にプロゲーマーとして活躍しており、現在はプレイ配信や大会での解説へと活動の幅を広げています。
DetoNatorは配信プラットフォームTwitchや飲料メーカーRed Bullとパートナー契約を結んでおり、eスポーツ業界でも特に注目されているチームと言えるでしょう。
よしもとゲーミング
出典:よしもとゲーミング
設立年 | 2018年 |
部門 | シューティング部門ファイティング・アクション部門 スポーツ部門 パズルゲーム部門 |
主な戦績 | MBLAZBLUE CROSS TAG BATTLE 第二回公式大会 準優勝(BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE) R6S PC JAPAN NATIONALS SEASON1 決勝 3位(Rainbow Six Siege) |
最後に紹介するのは吉本興業によって運営されるよしもとゲーミングです。お笑いの分野で活躍している吉本興行ですが、eスポーツチームの運営も本格的に行っています。
実力のある選手も獲得しており、ファイティング・アクション部門には大乱闘スマッシュブラザーズの国内大会「ウメブラ」で4連覇を成し遂げているRAIN氏を獲得しました。シューティング部門には、国内大会で複数の優勝歴があるカラマリ(くろすっω・)つ氏・あとばる氏・ぴょん氏・2438学園氏)を擁しています。
芸人がなんとなく始めたお遊びチームというわけではなさそうです。部門の数も増えており、今後の活躍が期待されます。
eスポーツチームに加入するには?
ここまで、主要なeスポーツチームを紹介してきました。「自分もeスポーツチームに入りたい!」と思った方も多いでしょう。そこで、ここからはプロチームに入る方法を紹介していきます。「これをすれば必ず入れる!」というものではありませんが、プロeスポーツチームへの加入を目指している人は参考にしてみてください。
大会に出場して成績を残す
大会で成績を残すというのはeスポーツチームに加入するためには大前提といえます。実績を残してチームからスカウトされるというのが、eスポーツチームに加入する方法として一般的でしょう。
また、ゲームタイトルによってはプロゲーマーを選考するための大会をオンラインで行っている場合もあります。こういった場合であれば比較的挑戦しやすいと思うので、ゲームタイトルの過去の選考過程を見ておくとよいかもしれません。
チームのメンバー募集に応募する
チームによってはホームページ等でメンバー募集をしていることもあります。条件をよく確認して、クリアしているのであれば応募してみるといいでしょう。最近はeスポーツチームの数も増えてプロゲーマーの枠も多くなっているので、もしかしたらチャンスがあるかもしれません。
ストリーマー(配信者)として知名度を上げる
最近では、プロゲーマーだけでなくストリーマーをチームに迎え入れているという例も多いです。YouTubeやTwitchで視聴者を集めることでeスポーツチームから声がかかる、ということも考えられます。
専門学校で技術を上げる
プロゲーマーを目指す人のためにプロゲーマー専門学校というものがあります。プロゲーマー専門学校には上達するための設備・環境が整っているので、集中して練習をしたいという方には最適です。専門学校で技術を付けることができれば、プロゲーマーに1歩近づくことができます。
もちろん、専門学校に入っただけでプロになれるわけではありません。専門学校はあくまで環境を提供する場なので、日々熱心に取り組んで実力をつけることが大切です。
また、専門学校は高額のものが多いので、金銭的に余裕のない人はよく考えてから申し込むようにしましょう。
プロゲーマー専門学校についてはこちらの記事でくわしく紹介しています。
まとめ
今回は以下のeスポーツチームについて紹介しました。
- DetonatioN Gaming
- SunSister
- FAV gaming
- Sengoku Gaming
- JUPITER
- Rush Gaming
- 野良連合
- 父ノ背中
- DeToNator
- よしもとゲーミング
eスポーツチームに加入する方法は以下のとおり
- 大会に出場して成績を残す
- チームのメンバー募集に応募する
- ストリーマーとして知名度を上げる
- 専門学校で技術を上げる
いかがでしょうか。今回は10チームの紹介となりましたが、他にもさまざまなeスポーツチームが活躍しています。機会があれば今回紹介できなかったチームも紹介していきます。
今後eスポーツチームの規模はどんどん拡大していくと思われるので、今のうちから注目しておきたい所ですね。